ツリ目なんだぜ
多い肉球　爪と牙
ねぇねぇいつまで体調不良なんだい
パンダだってホラあんな顔だぜ
 

おかしいね

探しているのに見つからないなんて

君が嘆いているというのは

おかしいね

やわらかなリズムで君のことを許す
冷たくてふわふわと痛いつま先からすべて
濡れて光る生来の黒が渦巻くそこまですべて
裏切らない硬さの鋭利なてのひらで許す

昔話をしましょうか
君がまだその小さな穴だけであった頃の話を
ゆらめく鉄筋と強固な陽炎と　愛とで
世界中を話してしまいましょうか

禁句はいくつかのジョーカー
この腕よりもずっと大きい物たちを
想像だけで語るペテン師の常套
「そういうお前を　私は食った」
これだけのジョーカー

いとしや　こいしや　ほうやれほ

やわらかなやわらかなリズムで
氷点下の真綿で
許します　ゆるやかに　許します
気化熱を奪う熱湯を注ぎます

未来を騙りましょうか
バクテリアの糧あるいは懐古の種になっていよう君らの
堂々たる朝露と震えるモルタルと　絆と
宇宙の片鱗を騙ってみましょうか

皆が普通は常識的で
一般市民のまともな世論
ババ抜きしましょう　二枚を揃えて
札を切るのはルールの中ですよ

かなしや　かなしや　ほうやれほ

ほうやれほ

君のプレゼントを

わたし

受け取らないでそのまま

浅く笑って　空を　見下ろして

かけがえある時

わたし

受け止めそこねてそれから

大きく息を吸えず

鼻を通してキスできたら

よりよかったのかしらね

君のアドレス

分かりやすいわ

日付とサイン

くわえてコサイン　たってタン

ジェントルマン

ジェントルメン

受け身を取る練習で

一転び　おしまい

そびれる勢いに乗せて

そびえるバベルは絵空事として

君のプレゼントも

わたし

（に）

とっても

重いわ

思いは

堅いわ

誓いは

遠いわ

慌ててこなすだけのキャパシティ

デッドラインまで　不可能

空気が乾いているから

気をつけるのよ

静電気

頭の悪いパワーで宜しく

わたし

君のプレゼントから離れたいような

そんな気もするの

跳んでゆく

あなたは未来に無関心なのかしら

うずくまるように目を閉じ　ぎゅっと逃げて

我慢できないのね

見つめ返せもしないものに頓着するあなたは

訊かれたら正直に答えるから
尋ねられたいかどうか
伺わないで
大丈夫だからさ。
 

白い会話
赤い
月はデコボコでサラサラ

鴨の声を知らない
かの嗚咽を聞かない
ついてくる月　二羽の兎

ほんとうはね
昔のことを思う
李白になれないんだ

うそだけどね
杜撰
小さな小さなミス（は、罪だ）

句読点を与えられて
半濁の印を気に入られ
訓点はいつの間にか淘汰

洗練された
冷たい堕落を
知っているつもりでしょうか

大きすぎたら
金属できって　それから掻き出すの

カンバス
カンバセイション
家に一人
末端冷え性。

 

そのままの位置記して
わがままを著しく
駄々をこねた　こども
いいえ　こ

ぼくは悪い子

このままでいたくて
言いたくて　痛くて
泣き喚いた　こ
そう　ひとり

君はかみさま

あのままで良かった？
拙い文字　あいうえあ
「うるさくしないで」と「しずかにしていて」
言葉は無力だ

かみさま
ごめんね
ぼく
ここにいたよ
 

君はなんどもぼくをころした

ぼくはそのたびゆるくわらった

やさしいことばをやさしくはいて

こんどは僕がきみにあげるね






 

絵を描くように　嘘をつき
言葉にも似た　キスをして
死にゆくように　生きてゆき
愛するように　恋をする