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このサイト初(!?)のショートストーリーです。
若干長くて読みづらいかと思われますので、お時間があるときに開くことをオススメします・・・。
一応、100ヒットキリリクのつもりです。
ではどうぞ。
どこかでだれかがわらったら、
どこかでだれかはないている。
=Choose Sketch Laughing=
1.I walk
僕は歩いている。
5月。
カゼカオルキセツだなんて言うけど、今日は見事に風力ゼロだ。
上着はすでに荷物と化している。
僕は日陰を選んで、歩いている。
あいつから連絡があったのはさっき。
モデルにしてやるからありがたく描かれなさい、なんて。
気まぐれなあいつらしい言い草だけど、きっと寂しいんだろうな。
そう思った僕は、二つ返事でオーケイした。
そして、後悔した。
自転車は先週撤去されたし、
電車に乗ろうにも駅から遠く、
もちろん免許は持っていない。
まあ、歩けば20分程度で着く距離だけれど。
ポケットにはカギと財布と十徳ナイフ(意外と便利なんだ、これ)。
僕は、歩いている。
5月。
暑い柔らかな日差しの中。
2.I wait
私は待っている。
9時半過ぎ。
10時までに来いって言ったから、遅れてはいないけど。
ノートの隅の落書きは10を超えている。
私はイライラと、笑いながら待っている。
連絡してからもう10分がたった。
練習台にしてやろうって呼び出した。
気まぐれな連絡だったけど、きっと来てくれるはず。
そう決まってたから、イスとテトリスを用意した。
そして、後悔した。
色鉛筆はそろってないし、
木炭は小さ過ぎたし、
水張りしてない紙しかない。
まあ、使う気はないんだけど。
手慰みにノートへアート。
私は、待っている。
9時34分。
容赦ない黄色い光の中。
3.I see
ウラワは見ていた。
藻の張り付いた水槽の中で。
緩やかに尾ひれを振って。
ときどき水面で回って。
ガンバは見ていた。
乾燥した鉢の上で。
蜂蜜色のトゲをきらめかせて。
枯草色の根を張り巡らせて。
ジュビロは見ていた。
実用性重視なカゴの中で。
餌のトウモロコシを啄ばんで。
その嘴で青い翼を整えて。
4.He comes
着いた。
いや、来たのか。
どっちでもいいけど。
何度見てもあいつの家はでかい。
少し圧倒されながら、チャイムも押さずドアを開ける。
倉庫…いや、アトリエは2階だ。
木の階段を登るとやっぱり、そこに居た。
ドアに挟んであったロージンバックを避けて、イスに座る。
「来てやったよー、寂しがり屋な独裁者さん?」
テトリス開始。
5.She welcomes
あんまり遅いから、
金魚のウラワに餌をやった。
サボテンのガンバに水をかけた。
セキセイインコのジュビロを部屋に放した。
それでも来ないから、
アトリエのドアに野球の粉の袋をはさんだ。
多分、避けられる。
けど。
玄関に誰かが来る音。
何事も無かった、
別にお前じゃなくたっていいんだ、
そんな風に迎え入れてやる。
6.They see
ウラワは見ていた。
パンくずの浮いた水槽の中で。
緩やかに尾ひれを振って。
ときどき水面で回って。
ガンバは見ていた。
少し湿った鉢の上で。
蜂蜜色のトゲをきらめかせて。
枯草色の根を張り巡らせて。
ジュビロは見ていた。
石膏と絵の具の匂いに満ちた小部屋の中で。
餌のトウモロコシを啄ばんで。
その嘴で青い翼を整えて。
7.Encounter
少女は、
「選んでやったんだからありがたく練習台になれよ?」
と言った。
少年は、
「僕がこの面クリアするまでに描き上げないでね」
と言った。
一匹と一鉢と一羽は、
何も言わなかった。
薄く笑いながらゲームをする。
薄く笑いながらスケッチをする。
少女は少年を選んで、
少年は少女を選んだ。
ハクシュ
*アトガキ*
野津希美様より、100ヒットリク「わらい」でした。最後しか笑っていませんが^^;
ご期待に添えておりませんでしたらごめんなさい。
遅れてしまったのにコレって(汗もう150ヒットですよHigさん!
さて、本編の話。
この登場人物(&植物・動物)には設定が色々有りまして。
女の子の名前はアヤといいます。
男の子の名前はシキといいます。
出てきませんがもう一人チホという子もいます。
ペット達の名前の由来も決まっております。
サッカーチームなのはお気づきかと思いますが、なぜウラワはレッズじゃないのか?とか。
…いずれ書きたいと思います。いずれ。
では、読んでくださってありがとうございました♪